魚の資源
今日のNHKの「ニュースウオッチ9」の中で、
クロマグロとサンマの漁獲量が減っているというニュースを伝えるときに、
魚の資源をどう守るか
という表現を使っていたように思う。
言おうとしていることは分かるが、
はて、「魚の資源」という表現は昔からあっただろうか。
辞書を調べると、資源とは、
自然から得る原材料で、産業のもととなる有用物。
土地・水・埋蔵鉱物・森林・水産生物など。
となっている。
つまり、魚も資源の中に含まれるのだ。
「魚の資源」という表現は間違っていなかった。
しかし、
私は、それでも、「魚の資源」という表現をあまり使いたくない。
資源とは、すなわち、人間にとって価値のあるもののことである。
まさに、そういう意味で、
魚も、土地や埋蔵鉱物と同列に並べられて「資源」と呼ばれているのであろうが、
だとしても、魚は生き物である。
他の人は、魚と埋蔵鉱物を同じテーブルの上に並べることに違和感を持たないのだろうか。
もし違和感を持たないとしたら、
いずれは、魚と埋蔵鉱物の横に「人」が並べられたとしても
違和感を持たなくなるのではないか、恐ろしいことだ、
と思いながら、もう一度、辞書を見ると、「資源」の用例のところに
人的資源
とあった。
すでに存在していたことをすっかり忘れていた。
だったら「魚の資源」も、別に目くじらを立てるほどのことではなかったのか。
よく分からなくなった。