脱ひきこもりを目指しているかたの中に、
「買い物をしたい店に入ること」を
とりあえずの目標にされているかたがいた。
そのかたの気持ちはよく分かるし、
私も、ひきこもっていた時は、
そのような目標を立てていたかもしれない。
しかし、今から考えると、
そのような目標を持つことは、
本当によいことなのだろうか、と少し疑問に思う。
というのは、私は現在、一応、ひきこもりを脱しているが、
今でも、好きな店に行って自由に買い物ができるかと言えば、
決して、そうではないからである。
個人差があるとはいえ、
やはり、対人緊張の人が、店で買い物を楽しむのは、
かなり難しいことだと思う。
それでは、どのような目標を立てればよいか。
私は、「信頼できる人を見つけ出して、その人とつながりを持つこと」を
目標にすればよいと思う。
現在、ひきこもっている人からすると、この目標は難しく感じるかもしれない。
しかし、その気になって探せば、必ず見つかると思う。
そして見つかれば、必ず何らかの道が開けると思う。
もちろん、「その人」は、ひきこもっている人の気持ちがよく分かる人でなければならない。
まず思いつくのは、心療内科などの先生であるだろうが、
私の場合、そのような先生の中に、この人について行けば、よくなるのではないかと思わせてくれるような人はいなかった(もちろん、いい先生もいると思う。たまたま、私は、自分に合った先生と出会えなかったということだと思う)。
私の場合、「その人」は、呼吸法を教える先生であり、占いの先生であった。
いずれも、大変困難な状況から抜け出した経験をお持ちのかたである。
私は、ひきこもりの人が出会うべきは、しかるべき肩書きではなく、しかるべき経験を持った人であると考えている。
脱ひきこもりを目指している人が、しかるべき経験を持った人と出会うことを心より願う。