「ハウルの動く城」を見て
宮崎駿監督の「ハウルの動く城」を見た。
私が最も印象に残ったのは次の場面で発したハウルの言葉である。
それまで臆病だったハウルが、一転して、
ソフィーを守るために戦いに出ようとする。
そんなハウルをソフィーが引き止める。
そこでハウルは
「どうして?
逃げることは今まで十分にしてきた。もう逃げる必要はない」
というようなことを言うのだ。
このハウルの言葉で、
私は、自分がひきこもっていた時のことを思い出した。
ひきこもっていた時の私は、本当によく逃げていたと思う。
勇気をもって前に出ようと心に決めても、
2~3日で気持ちがくじけてしまうようなことは何度もあった。
そして挫折するたびに、自分のメンタルの弱さに絶望し、
自分にはもう見込みはないと、ただただ自信を喪失していた。
本当に総崩れの状態である。
しかし、今から思うと、
当時、逃げたことは、本当にそんなに悪いことだったのかと思う。
当時の私では、やはり、逃げるしか方法がなかったのではないか。
よくなりたいという気持ちはあっても、体がついてこないということは、私はあると思う。
そういう時は、すべてが整うまで、それなりの時間が必要なのだ。
だから、
逃げるしか方法がないときは、思う存分、堂々と逃げればよいのである。
そんな時に逃げたからといって、自分を責める必要はみじんもない。
逃げたからといって、自分が弱いわけでもない。
その時はできなくても、後になって普通にできるようになるということもあるのだから。
その時の自分が、自分のすべてでは絶対にないのだ。
心配しなくても、よくなる時は、自然とよくなるのである。
そして、よくなれば、誰でも、ハウルのように、
また戦いの場に復帰することができるのである。
Howl's Moving Castle - Official Trailer